【歌ってみた】ボーカル用イコライザーの設定方法【テンプレ付き】

イコライザーというものがあるのはわかったけど、ボーカルにどういうふうにかければ良いか知りたい

使いこなせる自信がないので、テンプレで使える設定が欲しい

そんな、悩みにお答えします。

本記事の内容

  • イコライザーをかけるときの基本的な考え方
  • ボーカル用のテンプレ設定(男性・女性)

この記事を書いている私は、ミックス歴5年ほど

下記のツイッターモーメントから私がミックスしている曲が聴けます。

今回は、歌ってみたなどでボーカルをミックスするとき、どのようにイコライザーをかければ良いかということを解説します。

その上で、すぐに使えるテンプレートを公開します。

ミックスをする上でイコライザーは必ず使う道具と言って良いです。

イコライザーを正しく扱えれば、ミックスの上達は間違えないでしょう。

1、歌にイコライザーをかけるときの基本的な考え方

イコライザーというと、一定の帯域を削ったり持ち上げたりする事ができる道具です。

まずは、イコライザーをどんなとき、どういう風に使えば良いかを解説します。

1-1イコライザーは「削る」が基本

はい、イコライザーは「削る」が基本です。

それはイコライザーという道具の特性上、イコライザーを用いて音を持ち上げると、その帯域に過剰なピークが生まれやすくなってしまうからです。

ピークというのは、ある特定の帯域が飛び出てしまう状態を言います。

画像をご覧ください。

この例で言うと、だいたい500Hz〜1kHzのあたりと、5kHz〜10kHzあたりにピークが存在するのがわかります。

特にボーカルはピークを生みやすいので、イコライザーをかけるときは注意が必要です。

1-2どこを削るか

イコライザーが基本的に削る道具であることと、その理由は理解していただけたと思います。

それではどこを削れば良いのか。

簡単です。

つまりピークを削れば良いのです。

ここで、なぜピークを残すべきではないのかをお伝えします。

  • 音が細く聞こえる
  • 音が痛く聞こえる

基本的にはこの二つが理由になります。

まず、ピークを残してしまうと、その瞬間がボーカルを細く、ショボく聞こえさせる要因になってしまいます。

そして、ピークは音を痛く聞こえさせる原因となります。

キンキンした音になったり、耳鳴りがするような音になってしまったりするのです。

1-3持ち上げるとき

さて、では持ち上げる機能は何に使うのか。

と言うことですが、

イコライザーのブーストを使いこなすのは、初心者には難しいです。

やること自体は、凹んだところを持ち上げるだけなのですが、

自分が使っているEQの特性をかなり深く理解していないと難しいです。

安易に使ってしまうと、上記で説明したようなピークを生み出してしまう事になるでしょう。

2、ボーカル用イコライザーのテンプレート

前の章で解説した内容を読んだ上で、まずはこちらのテンプレートを参考にイコライザーをかけてみるのも良いと思います。

こちら、かなり汎用性の高いテンプレートになっていますが、もちろん、このテンプレートをそのまま使えば必ずいい音になるというものではありません。

あくまで、「ああ、こういう方向で歌を調整していけばいいんだな」と理解するためのテンプレートです。

バンド数が足りない場合もあるので、優先度を◎→○→△の順で示してます。

1-1女性用

  • ○ローカット 6db/oct 450Hz 
  • ○ベル カーブ1.0 -8db 380Hz
  • ◎ベル カーブ1.0 -8db 860Hz
  • ○ベル カーブ2.0 -5db 2,000Hz
  • ◎ベル カーブ2.0 -8db 4,000Hz
  • △ベル カーブ3.0 -4.5db 7,300Hz
  • △ベル カーブ2.0 -5db 2,000Hz
  • △ハイシェルフ カーブ1.0 +3.5db 8,500Hz(滑舌が悪いときに使う)

1-2男性用

  • ○ローカット 6db/oct 790Hz 
  • ◎ベル カーブ1.0 -10db 660Hz
  • ○ベル カーブ3.0 -6db 1600Hz
  • ◎ベル カーブ2.0 -8db 4,000Hz
  • △ベル カーブ2.0 -6db 6,800Hz
  • △ハイシェルフ カーブ1.0 +3.5db 8,500Hz(滑舌が悪いときに使う)

1-3テンプレートの解説と応用

テンプレートの作成は、あくまで1章の解説通りの内容になっています。

その中でも特に重要と示した◎部分について、かんたんに解説します。

男女ともに、一つ目の◎は「第1倍音あたり」を削っています。

基音に対して、第1倍音が出すぎていると、ボーカルがクリアに聞こえなかったり、ハモりが綺麗に聞こえなかったりするポイントになります。

最重要としている理由は、「私が一番最初に削る場所」だからです。

続いて男女ともに4,000Hzを削っている箇所ですが、これは母音の「i(い)」を削っています。

「i」の音は、歌を細く聞こえさせてしまう一番の原因になりがちです。

ここを残したままコンプレッサーをかけたり、音圧を上げたりすると、「いきしちに」の音だけ歌がしょぼくなったり、キンキンした音になったりしてしまいます。

最後に、ハイシェルフですが、これは滑舌が悪くて歌詞が聞こえにくいときに使いましょう。

ブーストする量は、なるべく少ない方が良いので、歌に合わせて調整しましょう。

はい、今回の解説は以上になります。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。

お疲れ様でした。

あなたのミックスライフが良いものになりますように。

うにお