【歌ってみた】ボーカル用イコライザーの設定方法【テンプレ付き】
イコライザーというものがあるのはわかったけど、ボーカルにどういうふうにかければ良いか知りたい
使いこなせる自信がないので、テンプレで使える設定が欲しい
そんな、悩みにお答えします。
本記事の内容
- イコライザーをかけるときの基本的な考え方
- ボーカル用のテンプレ設定(男性・女性)
この記事を書いている私は、ミックス歴5年ほど
下記のツイッターモーメントから私がミックスしている曲が聴けます。
⚡️「うにお@ミックス師が担当した作品」(@UniunioMixさんによる: https://t.co/GoaCdBmf6I) #歌い手さんMIX師さん絵師さん動画師さんとPさん繋がりたい
— うにお@ミックス師 (@UniunioMix) January 23, 2020
今回は、歌ってみたなどでボーカルをミックスするとき、どのようにイコライザーをかければ良いかということを解説します。
その上で、すぐに使えるテンプレートを公開します。
ミックスをする上でイコライザーは必ず使う道具と言って良いです。
イコライザーを正しく扱えれば、ミックスの上達は間違えないでしょう。
1、歌にイコライザーをかけるときの基本的な考え方
イコライザーというと、一定の帯域を削ったり持ち上げたりする事ができる道具です。
まずは、イコライザーをどんなとき、どういう風に使えば良いかを解説します。
1-1イコライザーは「削る」が基本
はい、イコライザーは「削る」が基本です。
それはイコライザーという道具の特性上、イコライザーを用いて音を持ち上げると、その帯域に過剰なピークが生まれやすくなってしまうからです。
ピークというのは、ある特定の帯域が飛び出てしまう状態を言います。
画像をご覧ください。
この例で言うと、だいたい500Hz〜1kHzのあたりと、5kHz〜10kHzあたりにピークが存在するのがわかります。
特にボーカルはピークを生みやすいので、イコライザーをかけるときは注意が必要です。
1-2どこを削るか
イコライザーが基本的に削る道具であることと、その理由は理解していただけたと思います。
それではどこを削れば良いのか。
簡単です。
つまりピークを削れば良いのです。
ここで、なぜピークを残すべきではないのかをお伝えします。
- 音が細く聞こえる
- 音が痛く聞こえる
基本的にはこの二つが理由になります。
まず、ピークを残してしまうと、その瞬間がボーカルを細く、ショボく聞こえさせる要因になってしまいます。
そして、ピークは音を痛く聞こえさせる原因となります。
キンキンした音になったり、耳鳴りがするような音になってしまったりするのです。
1-3持ち上げるとき
さて、では持ち上げる機能は何に使うのか。
と言うことですが、
イコライザーのブーストを使いこなすのは、初心者には難しいです。
やること自体は、凹んだところを持ち上げるだけなのですが、
自分が使っているEQの特性をかなり深く理解していないと難しいです。
安易に使ってしまうと、上記で説明したようなピークを生み出してしまう事になるでしょう。
2、ボーカル用イコライザーのテンプレート
前の章で解説した内容を読んだ上で、まずはこちらのテンプレートを参考にイコライザーをかけてみるのも良いと思います。
こちら、かなり汎用性の高いテンプレートになっていますが、もちろん、このテンプレートをそのまま使えば必ずいい音になるというものではありません。
あくまで、「ああ、こういう方向で歌を調整していけばいいんだな」と理解するためのテンプレートです。
バンド数が足りない場合もあるので、優先度を◎→○→△の順で示してます。
1-1女性用
- ○ローカット 6db/oct 450Hz
- ○ベル カーブ1.0 -8db 380Hz
- ◎ベル カーブ1.0 -8db 860Hz
- ○ベル カーブ2.0 -5db 2,000Hz
- ◎ベル カーブ2.0 -8db 4,000Hz
- △ベル カーブ3.0 -4.5db 7,300Hz
- △ベル カーブ2.0 -5db 2,000Hz
- △ハイシェルフ カーブ1.0 +3.5db 8,500Hz(滑舌が悪いときに使う)
1-2男性用
- ○ローカット 6db/oct 790Hz
- ◎ベル カーブ1.0 -10db 660Hz
- ○ベル カーブ3.0 -6db 1600Hz
- ◎ベル カーブ2.0 -8db 4,000Hz
- △ベル カーブ2.0 -6db 6,800Hz
- △ハイシェルフ カーブ1.0 +3.5db 8,500Hz(滑舌が悪いときに使う)
1-3テンプレートの解説と応用
テンプレートの作成は、あくまで1章の解説通りの内容になっています。
その中でも特に重要と示した◎部分について、かんたんに解説します。
男女ともに、一つ目の◎は「第1倍音あたり」を削っています。
基音に対して、第1倍音が出すぎていると、ボーカルがクリアに聞こえなかったり、ハモりが綺麗に聞こえなかったりするポイントになります。
最重要としている理由は、「私が一番最初に削る場所」だからです。
続いて男女ともに4,000Hzを削っている箇所ですが、これは母音の「i(い)」を削っています。
「i」の音は、歌を細く聞こえさせてしまう一番の原因になりがちです。
ここを残したままコンプレッサーをかけたり、音圧を上げたりすると、「いきしちに」の音だけ歌がしょぼくなったり、キンキンした音になったりしてしまいます。
最後に、ハイシェルフですが、これは滑舌が悪くて歌詞が聞こえにくいときに使いましょう。
ブーストする量は、なるべく少ない方が良いので、歌に合わせて調整しましょう。
使用しているEQ
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はい、今回の解説は以上になります。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。
お疲れ様でした。
あなたのミックスライフが良いものになりますように。
うにお