音質で選ぶオーディオインターフェイス
・自分が持っているインターフェイスは良い音質で録音できているのか?
・録音の音質を判断する基準はないのか?
・音質が良いインターフェースはどういうものか?
そんな、悩みにお答えします。
本記事の内容
- 音質って何?
- 録音の音質を判断する方法
- 録音の音質が良いインターフェース
この記事を書いている私は、ミックス歴5年ほど
下記のツイッターモーメントから私がミックスしている曲が聴けます。
⚡️「うにお@ミックス師が担当した作品」(@UniunioMixさんによる: https://t.co/GoaCdBmf6I) #歌い手さんMIX師さん絵師さん動画師さんとPさん繋がりたい
— うにお (@UniunioMix) January 23, 2020
よく、オーディオインターフェイスの音質が良いとか悪いとか言っているのをみたことはありませんか?
そんな意見が行き交っているのを見ると、果たして自分の持っているインターフェイスは音質が良いのか悪いのか心配になってしまいますね。
それで、説明書やメーカーサイトに載っているスペック表を見たり、ネットの評判を調べたりするのだと思いまが、難しくてよくわからなかったり、個人的な感想ばかりで信用できないなんてことが多いと思います。
今回は主に
- 音質が良いってどういうことなのか?
- 具体的にどの数字を見れば音質が良いと言えるのか?
について解説していきます。
そして最後に、録音におすすめのオーディオインターフェイスを紹介します。
音質って何?
音質良いとは、原音の再現度が高いことです。
オーディオインターフェイスの音質を判断するには、大きく分けて2つの分野でチェックしなければなりません。
1つめは、入力の音質です。
いわゆる録音ですね。
さて、録音の原音というと、私たちの声や楽器の音、自然の音などです。
ではその再現度が高いとはどういうことでしょうか?
実は、パソコンやスマホなどに音声データを録音すると、どんな高級な機材を集めても必ず原音とは違う音になって録音されてしまいます。
なぜかというと、録音とは、主にダイアフラムやリボンと呼ばれる金属の膜の振動を電気信号に変換し、さらにそれをデジタル信号に変換して、パソコンやスマホのメモリーに保存されるからです。
この過程それぞれで劣化が起こるのですが、
現実世界が発する光の情報量よりきれいな画像は無いですよね。
音も画像と同じような劣化が起きていると考えれば良いと思います。
つまり、録音における再現度とは、如何に原音に近い状態でパソコンやスマホにデータ保存できるかということになります。
2つ目は、出力の音質です。
いわゆるモニタリングです。
では、モニタリングにおける原音とは何でしょう。
それは、パソコンやスマホに保存されているデータです。
出力は、入力と真逆の道を辿ります。
実はスピーカーをマイク入力にさすと録音できるんです。
録音とモニターは、それぞれ専用の機械を使っているだけで、ただ同じ一本の道を行ったり来たりしているだけです。
同じ道を通るのですから、録音と同じように劣化するのは当たり前ですね。
つまり、出力の音質が良いとは、パソコンやスマホに保存されたデータが如何に劣化しないで耳まで届けられるかということになります。
さて、音質とは何かわかったところで、具体的にオーディオインターフェイスの録音の音質が良いか悪いかを判断する数値をいくつか見ていきましょう。
録音の音質を判断する方法
本記事では、感覚や感想ではなく、具体的な数値でスペックを比べる方法をご紹介します。
それでは、みていきましょう。
入力インピーダンス
オーディオインターフェイスの入力インピーダンス > マイクの出力インピーダンスになっている
まず見る数値はこちらが良いでしょう。
自分の持っているマイクのパフォーマンスをどれくらい出すことができるかという、許容の程度を図る数値です。
SM58の出力インピーダンスは150Ωです。
UR22Cの入力インピーダンスは4 k(4,000)Ωです。
この組み合わせてあれば、入力インピーダンスに余裕がありそうですね。
一般的に、インターフェースの許容量を超えるような出力インピーダンスを持ったマイクは無いですので、マイク録音においては、インピーダンスのバランスを無視しても良いかなと思います。
では、どのような時に問題が起きるのか
それが以下の例です。
エレキギターの一般的な出力インピーダンスは250kΩ~500kΩ程度
UR22Cの入力インピーダンスは4 k(4,000)Ωです。
この組み合わせだと出力インピーダンスが入力インピーダンスを超えてしまっていて、機材のパフォーマンスを落としてしまっていることになります。
主にエレキギターやエレキベースを録音したいという時に、入力インピーダンスの問題が発生します。
「あれ? てことはUR22だとエレキギターの録音はできないの??」
と思われた方は、良い点にお気付きです。
そのために多くのオーディオインターフェースにはHI-Z入力が用意されています。
機種によってDI(ディーアイ)と表記された入力箇所があったり、HI-Zのオンオフボタンが付いていたりしますので、自分の持っているor買おうと思っているオーディオインタフェースの説明書を読んで、その機能が搭載されているかどうかと、使い方について把握しておくと良いでしょう。
ダイナミックレンジ
入力のダイナミックレンジは数値の大きいものを選ぶと良いでしょう。
簡単にいうと、最大入力音圧レベルと自己雑音レベルの比で、デシベル(dB)で表示しされています。
※S/N比で表記されている場合もあります。
全高調波歪み(全高調波歪み率)またはTHD+N
こちらの数値は低い方が良い
簡単にいうと音がオーディオインターフェイスを通る過程で、原音に対しどのくらい歪んでしまうかを示した数値。
- UR22c (17,000円前後) → 0.003 %
- RME ADI-2 Pro FS (200,000円以上) → 0.00025 %
上記の二つでは、10倍以上の性能差がありますね。
この数値は値段の差が顕著に出るところになりますので、コストパフォーマンスの指標になります。
以上が基本的に録音の音質を判断する時見る数値です。
まとめます。
- 入力インピーダンス
- ダイナミックレンジ
- 全高調波歪み(全高調波歪み率)またはTHD+N
エレキギターやエレキベースなど、出力インピーダンスの高い楽器の録音をしたい人は、HI-Z入力がついているか確認しよう!
なるべく数値の大きなものを選ぼう!
S/N比という表記の時もある。
なるべく小さいものを選ぼう!
これらの数値を確認したり、比較したりして、持っているor購入予定のオーディオインターフェースがより良いパフォーマンスを出せているか確認してみましょう!
それでは最後に、値段に対して録音のクオリティーが優れているおすすめのオーディオインターフェイスをご紹介します!
録音の音質が良いインターフェース
今回は3つほど、録音の音質を比較し、コストパフォーマンスの高いオーディオインターフェイスを紹介します!
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett Solo (gen. 3) オーディオインターフェイス
- インピーダンス
- ダイナミックレンジ
- 全高調波歪み(全高調波歪み率)またはTHD+N
マイク入力:3kΩ
マイク入力:111 dB (A-特性周波数重み付き)
0.0012%
録音という点において、こんなにコスパの高いオーディオインターフェースはないかも?
「録音メイン・ミックスは別の人にお任せしちゃう!!」
って方におすすめ!
FOCUSRITE の専門はマイクプリアンプなどの録音機材です。
だから、録音性能に長けているのかもしれませんね。
デメリットとしては、機能がかなり少ないことと、出力側のクオリティーがこのあと紹介するものに比べて弱いので、ミックスもやりたい方には難ありってことです。
MOTU ( モツ ) / M2 オーディオインターフェイス
- インピーダンス
- ダイナミックレンジ
- 全高調波歪み(全高調波歪み率)またはTHD+N
マイク入力:2.65kΩ
マイク入力:115 dB(A-特性周波数重み付き)
0.0014%
こちらは高音質オーディオインターフェイスで話題に上がるMOTUの製品です。
先に紹介したScarlett Soloと比べても同等以上の入力スペックを備えた上、こちらは出力(モニタリング)スペックもなかなか良いもので、総合的にコストパフォーマンスの良い製品といえます。
デメリットは特になく、強いていえば、同価格帯でもっと多機能なものも存在するという点くらいです。
これから、録音とミックス両方しっかりやっていきたいという方におすすめです!
RME ( アールエムイー ) / Babyface Pro FS オーディオインターフェイス
- インピーダンス
- ダイナミックレンジ
- 全高調波歪み(全高調波歪み率)またはTHD+N
マイク入力:2kΩ
マイク入力:117 dB(A-特性周波数重み付き)
0.00035 %
三つ目はRMEの製品です。
ぱっと見の値段は高いですが、コスト対パフォーマンスでいえばこの中で一番優れていると言えるでしょう。
形から入るタイプの方や、新しいオーディオインターフェイスへの買い替えを検討している方におすすめです!
デメリットというと、値段が少し高いことですが、これは先も述べた通り、パフォーマンスを見れば納得の値段です。
初期投資として高いと感じるか、安いと感じるかは、買う人次第かと思います。
はい、今回は以上になります。
もちろん、録音の音質を比較する指標は今回紹介したものだけではありません。
性能が良い=音が良い
と捉えるかは人それぞれかとも思います。
しかし、初めてインターフェイスを買う方や、なかなか周りに相談できる相手や、いくつもの実機を視聴できる環境にない方にとって、オーディオインターフェイスを具体的なスペックで選ぶのは安心感に繋がりますし、機材の信頼する一つの指標になります。
本当に良いものかどうか、ネットの評判や口コミを調べて回るより、同じ価格帯で一番スペックが高いものを選ぶ方が、良いと思いませんか?
今回は録音メインの方におすすめなオーディオインターフェイスを紹介しましたが、いずれミックスメインの方に向けたおすすめも紹介したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
うにお
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